「1984年」を35年ぶりに読む

SFの古典、「1984年」(ジョージ・オーウェル著、1949年)を読みました。
全体主義の恐怖を描いた作品としてよく知られています。
世界が三つに分かれ、自国の権力を維持するために架空の戦争状態にある中、自由恋愛を禁じられつつ愛し合ったウィンストンとジュリアは捕らえられ、治療という名の洗脳を施される、という救いようのない物語。
知的労働者を監視する双方向型テレビ「テレスクリーン」が登場し、これは戦意高揚にも大いに活躍します。
個人の情報が筒抜けという点で現代のインターネット社会を彷彿とさせますが、執筆されたのが1940年代後半というのが驚きです。
他にも、権力の都合の良い歴史の改竄や、権力に都合の悪い語彙の削減と新たな文法「ニュースピーク」、権力に都合の良い現実認識能力「ダブルシンク」など設定が実に込み入っていて読み応えがありました。
学生時代に一度読んでSF嫌いのきっかけになった作品ですが、今読むと実に面白い。
これを機会にSFの古典に親しんでみようと思います。

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