父、緑内障手術に迷う
父は還暦を過ぎた頃、緑内障で右目の視力を失っています。
残る左目も眼圧は高めで、目薬は欠かせません。
定期的に通う大学病院では、以前から眼圧を下げる手術を勧められていました。
父は、手術が失敗して左目も視力を失ったらどうしようとクヨクヨ考えては頑なに手術を拒否してきました。
家族の言うことに耳を貸さない天邪鬼な父の性格をよく知っているので、私は父を説得することはせず、父の気が変わるのを待つことにしました。
3日前の診察で眼圧の上昇が認められ、再び手術を勧められた父はまたも断りましたが、さすがに迷いが生じてきたようでした。
そして、日頃伸びたまつ毛をカットしてもらっている古くから付き合いのある開業医に相談に行くと言い出しました。
他でもない、大学病院の受診を紹介したのはその開業医だったので、相談に行くも何も、手術を勧められるのはわかりきっていることなのに。
父はたぶん背中を押して欲しいのだなと判断し、何も言わずに今朝、父を眼科医院に送ってきました。
帰宅し、昼食・夕食を終えても父から結論を聞くことはありませんでした。
布団の中で天井を見つめながら、クヨクヨと考えを巡らせているのかもしれません。