プチ閉所恐怖症

ちょっとした閉所恐怖症と付き合い始めて10年ほどが経ちます。

一定時間身動きができなくなる状況におかれるのを自覚すると、動悸がして若干気持ち悪くなります。

自分の場合、この一定時間というところがミソで、たとえば電車やバス、エレベーターは平気です。
ごく短時間でその空間から解放されることがわかっているからです。

映画館、演劇の劇場、コンサート会場など、途中退席が好ましくない状況で、「拘束されている」と意識した途端に不安になり、動悸、冷や汗、気分が悪くなったりします。

そこを我慢して、開演後に集中できれば、運良く不安が吹っ飛ぶこともあります。
最近は映画館や劇場に出かけるのを避けているので、閉所恐怖症のことは忘れかけていました。

ところが、ひょんなきっかけでまた閉所恐怖症を思い出すことになりました。
それはなんと「実家の雨戸」でした。

22歳で東京に出てから30年以上、雨戸の装備されていない物件ばかり渡り歩いてきました。
街灯の光が差し込み、就寝時も部屋の中は楽々トイレに行けるくらいのほのかな明るさがありました。

田舎の一軒家での暮らしが始まり、雨戸のしまった部屋は漆黒の闇。

アメリカで人気を博したテレビドラマ、『CSI:科学捜査班』第5シーズン第24・25話「CSI”12時間”の死闘 前・後編」(クエンティン・タランティーノ監督、2005年)で、ニック・ストークス捜査官が特殊な棺桶で生き埋めにされる話(最後は救出される)、
とか、
2010年8月にチリの鉱山で発生した「コピアポ鉱山落盤事故」に題材をとった『ゴルゴ13』第557話「33+G」(2015年)
を思い出してしまい、不安感が押し寄せ、とても眠れたものではありません。

二つの窓のうち片方だけ雨戸を閉めなくても良いという許可を父から取り付け、消灯後にカーテンを開けて街灯の明かりを取り込んでいます。

おかげで夜はなんとか寝られるようになりました。

ただ、雨戸がきっかけで、しばらく忘れていたあの嫌な感覚がふとした拍子に沸き起こることがあります。

昨日も銀座線青山一丁駅の、2番線から1番線に連絡する狭い地下通路を歩いている時に、今大地震が起きたら…とチラッと考えました。

最近は、自分がミニチュアになって排水管とか身の回りの容器に閉じ込められる妄想がフッと湧いて出ることがあります。

困ったもんです。

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