父のボタン騒動
父の長袖シャツの一番下のボタンが取れました。
最近また父の行動が癪に障るところがあったので、私は「老眼で針に糸が通せないから」と父の要望を突っぱねました。
一番下のボタンなので、ズボンに裾を入れてしまえば問題なかろうと、一応考えてのことでした。
お金を払ってリペアショップで付けてもらうといいよとアドバイスを送ると、天邪鬼な父は予想通り「自分がやる」と言い出しました。
片目の視力を失い、老眼もひどい父に針と糸が使えるわけがありません。
裁縫箱の場所を教えてあげて、私が買い出しから戻ると、裁縫箱が出しっぱなしになっていました。
裁縫箱を片付けていると、「針が無いじゃないか」と言い出しました。
針穴に糸が通せないことは予想できても、まさか針山にたくさん刺してある針が見えないとは、こりゃ一本取られたな、と思いつつ、父の言葉に私は反応しませんでした。
夕食をとり、今日はそのまま解散となりました。
せいぜい一晩布団の中でクヨクヨと悩むがよいのです。
「ご近所の奥さんに頼む」と息巻いていた父ですが、明日どんなことになるのか楽しみです。