食べ残す父に小皿攻撃
食事の支度といっても手の込んだ料理はせず、父も私も惣菜を買って済ませ、ガスレンジは肉や魚、目玉焼きを焼いたり味噌汁を煮たりする程度です。
父は惣菜をパックのまま出すと食べ残す癖があります。
モノのない時代に苦労して育ったせいでしょうか。
観察していると、食べ残したものは次の食事で食べるのかといえば結局食べないことが多く、どうせ食べないならと残した時点で処分していました。
しかし廃棄ロスに厳しいこのご時世、なんとかならんものかと考え、惣菜を2〜3回に分けてその都度小皿で出すことにしました。
3食同じラインナップになるのは芸がないので、2回に分けるものをズラして組み合わせるなど工夫し、常に小皿が5〜6品並ぶようにしました。
ちょうど食べきりサイズの小皿が並ぶとテーブルの見た目も華やかになります。
様子を見ていると、父も小皿を食べ切りお皿を重ねるのを楽しんでいるようで、惣菜の廃棄ロスはなくなるかと思われました。
しかし結果として生ゴミの量はさほど変わりませんでした。
父はおかずを口に含むと噛むだけ噛んで出してしまうのです。
父の理論は「噛むだけで栄養はエキスとなって体に吸収される」という実に馬鹿げたもので、根気よくそれは間違っていると説得してもまるできく耳を持ちません。
それでいて、「何か栄養のある食い物はないかな?」と常に食事の不満を口にします。
そりゃ母と大ゲンカになるわけです。
母が認知症に倒れてからは、毎日油たっぷり醤油たっぷりの肉野菜炒めを自作し、フライパンの油を流し台にそのまま流して排水管を詰まらせ、台所の床を油まみれにし、塩分過多で手足が紫色にむくんでいました。
肉野菜炒めも噛むだけで出してしまうので、結局は醤油の汁を飲んでいたようなものです・
やっとのことで半年前に野菜炒めをやめさせたところ、父の手足のむくみがみるみるうちに解消しました。
こんな無茶苦茶な食生活でよくもまあ90歳まで生きてこられたものです。
ボケている父に何をいっても無駄なことはわかっていますが、長男の義務としてきちんと食べるよう説得は続けていくつもりです。