「遊王 徳川家斉 (文春新書)」 Kindle版 を読む
「遊王 徳川家斉」(文春新書、岡崎 守恭 (著)、2020年)を読みました。
文化・文政時代の第十一代将軍は将軍在位50年、男女合わせて50名を超える子供たちは大名家などへ次々と養子縁組。
出身は御三卿・一橋家。
八代将軍吉宗の孫の十代将軍家治の後継が急逝したことで本家の跡を継ぎます。
家斉の父は一橋治済(はるさだ)、池波正太郎の小説「剣客商売」では自分が将軍になれない腹いせに子孫を将軍の座につけようと暗躍する黒幕として描かれています。
かねがね気になる人ではありましたが、本書では治済の暗躍ぶり、自身も子沢山で養子縁組など血縁関係の構築により勢力を築いていく様が遺憾なく描かれていて読み応えがありました。
家斉の時代はおおむね天下泰平、町人文化も花開き、明治時代に「古き良き時代」と懐かしむ人々も多かったとか。
相撲、歌舞伎、浮世絵などのトリビアもたっぷりです。
本書を読んで驚きましたが、家斉の死から明治維新までたった27年。
30年前のバブルの時代を懐かしむようなものでしょうか。
本書と合わせてWikipediaを読んでいたらあっという間に時間が過ぎました。
肩の凝らない歴史ものはいいですね。いい気分転換になりました。