元日にすき焼き
大晦日の朝、父は「元日の朝はすき焼きで酒を飲みたい」と言い出しました。
一瞬面食らって「雑煮は?」と尋ねると、「すき焼きの後で食べたい」と言います。
要するに、お節料理を食べたくないのです(笑)。
いかにも好き嫌いの多い父らしい…。
要望は叶えてあげるとして、すき焼きの材料のほか、ミニお節セットと、刺身の盛り合わせを買っておきました。
元日の朝は、すき焼きの支度で始まりました。
こんな年は初めてです。
弱火でじっくり煮込む間、燗酒の用意をし、ミニお節と刺身の盛り合わせを出しました。
日頃、スーパーの刺身に対してあれこれさんざん文句をつけて一口くらいしか食べない父ですが、珍しく「美味い、美味い」と半分近く平らげました。
お節はやはり手をつけませんでしたが、続いて出したすき焼きも肉を完食しました。
珍しいこともあるものだ、とよくよく考えたら、これは年に一度、元日にしか口にしない燗酒のおかげですね。
食事に文句をつけるくらいなら、いっそ毎日飲んで欲しいものです。
続く雑煮もペロリと平らげました。
たいした食欲です。
来年の元日もお互い元気で迎えたいものだと思いました。
